トランジスタによる発振回路を利用した
LED1個点滅回路



PNPとNPNトランジスタによる発振回路を利用したLEDの点滅回路です。
抵抗Rを通して、電解コンデンサCにチョロチョロと電気を流し貯めていきます。
たまった電気がトランジスタQ2のベース電圧を超えるとQ2にベース電流が流れます。
Q2にベース電流が流れると、Q2のコレクタ・エミッタ間が導通します。
Q2が導通するとQ1のベース電圧も超え、Q1にもベース電流が流れます。
Q1にベース電圧が流れると、Q1のエミッタ・コレクタ間も導通しLEDが点灯します。
導通したQ1に比べ、抵抗Rはあまりに抵抗値が高い為、電流は流れなくなります。
抵抗R側には電流が流れないので電解コンデンサに溜まった電気は次第に無くなっていきます。
電解コンデンサの電気が無くなるとQ2のベース電流が流れなくなります。
Q2のベース電流が流れなくなると、Q2のコレクタ・エミッタ間は電気が通れなくなります。
Q2のコレクタ・エミッタ間は電流が通れなくなるとQ1のベース電流も流れなくなります。
Q1のベース電流も流れなくなると、Q1のエミッタ・コレクタ間も電流が通れなくなり、LEDは消灯します。
この繰り返しで発振している回路です。


回路図

もう少し詳しい説明

電源が入ると抵抗Rを通してコンデンサCに少しづつ電気が充電されていきます。
この時トランジスタQ2のBE間にベース電流が流れそうですが、BE間には順方向電圧0.7V以上が必要ですので、コンデンサの充電電圧が0.7Vを越えるまでは電気が流れません。
一方、トランジスタQ1側は、トランジスタQ2のBE間にベース電流が流れませんので、トランジスタQ2のCE間にも電気が流れず、その先のトランジスタQ1のEB間にも電気が流れない為、トランジスタQ1のEC間には電気が流れません。
やがて、コンデンサに電気が溜まっていき、コンデンサの充電電圧が0.7Vを越えると、トランジスタQ2のBE間にも徐々にベース電流が流れはじめます。
コンデンサCに電気が溜まっていき、コンデンサの充電電圧が上がっていきますと、コンデンサよりトランジスタQ2のBE間の方が電気が流れやすくなりますので、BE間に流れる電流がさらに多くなっていきます。
トランジスタQ2のCE間は、ベース電流が流れると、電気を通す状態になりますので、その先につながったトランジスタQ1のEB間にもベース電流が流れはじめます。

トランジスタQ1のEB間にベース電流が流れ始めますと、トランジスタQ1のEC間にも電気が流れはじめ、LEDが点灯し始めます。
更にトランジスタQ2のベース電流が増えるとその先の、トランジスタQ1のEC間に流れる電流も増え、LEDが完全にを点灯します。
この時、今まで電気の流れていた、抵抗R・コンデンサC側より、LED側の方が流れる電流が多く、電気が通りやすいいので、抵抗R・コンデンサC側には電気が流れず、コンデンサCにも電気が充電されなくなります。
抵抗R・コンデンサC側に電気が流れなくなると、トランジスタQ2にも電気が供給されなくなりますが、今までコンデンサCに充電されていた電気が、NPNトランジスタのベースに供給され、ベース電流を流し、LEDを点灯させ続けます。
やがて、コンデンサに充電された電気を使い切ると、トランジスタQ2がOFFになり、その先につながったトランジスタQ1もOFFになり、LEDが消灯し、はじめの状態にもどります。


部品表

部品名 定格 数量
トランジスタ 2SC−1815Y
2SA−1015
LED グリーン
電解コンデンサ 10uF
抵抗 100KΩ・1/4W
ジャンプワイヤ
セット
赤1橙3黄1長い赤2
ブレッドボード ミニタイプ
単三乾電池
電池ソケット 単三2本用
電池スナップ ブレッドボード用に加工済み

同じ回路をラグ板上に作ってみました。
ラグ板は半田付けの練習に最適です。


ラグ板上に作ったLED1個の点滅回路