PUT/逆方向(Nゲート)サイリスター
(Programable Unijunction Transistor)
PUTのピン配置
PUTの回路記号
PUT(プログラマブルユニジャンクショントランジスタ)はUJT(ユニジャンクショントランジスタ)と似た素子ですが、UJTは、あまりスタンドオフ比(開放電圧比)を大きく変更できません。 PUTは、外付け抵抗である程度の範囲で変更が可能です。 PUTの性質 PUTには、AKGという端子が出ています。 (A:アノード K:カソード G:ゲート) ダイオードにG(ゲート)を足した様な形になっていますが、動作が違います。 PUTは、A(アノード)よりG(ゲート)の電圧が高い場合は、AK間は不通で電気は流れません。 VA<VG → AK OFF A(アノード)よりG(ゲート)の電圧が低い場合は、AK間は導通で電気が流れます。 VA>VG → AK ON |
PUT発振回路の基本回路
PUT発振回路の動作 簡単な応用として、電子工作などでよく取り上げられているLED点滅回路の基本となる発振回路の説明をします。 上の図は、PUTを使った発振回路の基本回路です。 今、電源が入ると、RTを通してCTに電気が充電されていきます。充電電圧VCは、徐々に上昇していき、PUTのA(アノード)に加えられます。 一方、R1とR2側にも電流が流れ、電源電圧をR1とR2で分圧された値が、PUTのG(ゲート)に加えられています。 PUTのAK(アノード・カソード)間は、A(アノード)の電圧が、G(ゲート)の電圧を超えなければON(導通)しません。 コンデンサの電圧VCは、電源からRTを通って徐々にCTに充電され、やがて、ゲートの電圧を越えます。 ゲートの電圧を越えると、PUTのAK間は導通状態になり、コンデンサCTに充電されていた電気は、一気に放電されます。 放電され、電気が無くなると、PUTのAK間は、再びOFF(不通)状態に戻り、CTはまたRTを通して充電をはじめ、同じ動作を繰り返します。 この発振回路からは、出力としてノコギリ波(VC)とパルス波(VO)が取り出せます。 PUTをONにする電圧は、電源電圧を分圧するR1とR2で決まります。 例えば、電源電圧が10Vで、5VでONさせたい場合には、R1、R2を同じ値の抵抗値5kΩにすれば、丁度5Vで分圧され、5VになるとONになります。 8VでONにしたければ、R1を2kΩ、R2を8kΩにすれば、8VでONします。 しかし、すべての値の抵抗値は揃えられない事と、素子の特性で低い電圧では、動作しませんので、使う時には注意が必要です。 |
LEDでPUTの発振を確かめる簡単な回路
実体配線図
LEDでPUTの発振を確かめる簡単な回路
(※N13H1を使用の場合、R1は200kに変更)
回路図
オシロスコープによる発振の測定
RTとCTを変更し、周波数を上げてオシロスコープで波形を見てみました。 |
波形拡大図(2V/DIV 0.5msec/DIV)
上の波形がVC、下の波形がVOです。
オシロスコープで見るPUT発振を確かめる回路
実体配線図
オシロスコープで見るPUT発振を確かめる回路
回路図
PUTが手に入らない場合は、
「トランジスタによるPUTの実験」
を参照下さい