PNPトランジスタによるマルチバイブレータを利用した
LED2個交互点滅回路
PNPトランジスタによるマルチバイブレータを利用した、LED2個交互点滅回路です。 電解コンデンサとC1、C2と抵抗R2、R3で周波数と周期が決まります。 電解コンデンサC1、C2と抵抗R2、R3を大きくするとゆっくり点滅し、 電解コンデンサC1、C2と抵抗R2、R3を小さくすると速く点滅します。 |
回路図
動作説明
電源を入れると、各LED、PNPトランジスタのエミッタ、ベースを通り、電流が流れていきます。 この時、全ての部品の定格が同じでも、LEDの順方向電圧、トランジスタの特性のバラツキ、抵抗、コンデンサの値の誤差などで流れやすさに差が出ます。 流れはじめは、電流は僅かで、どちらのトランジスタもオン(導通)状態にはありません。 (※実験ではLEDに黄と緑を使用しているので、順方向電圧に差がありますが、説明がわかりにくくなりますのでここでは赤色LEDを2個使う場合で説明していきます。) |
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トランジスタQ2のベース電圧が、先に0.7Vを越えたとします。 すると、トランジスタQ2のエミッターコレクタ間がオン(導通)状態になり、先にLED 2が点灯します。 |
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トランジスタQ2のコレクタの先につながった抵抗R4は、トランジスタQ2がオフ(不通)状態の時には、殆どGNDレベルでしすが、トランジスタQ2のエミッターコレクタ間が導通状態になったことにより、電流が流れ、電圧降下VR4が起こります。 その電圧は、電源電圧Vから、LED 2の順方向電圧VF2とトランジスタQ2のコレクターエミッタ間の電圧降下VCE2を引いた値まで上がります。 VR4=Vー(VF2+VCE2)) V:電源電圧 VR4:抵抗R4の電圧降下 VF2:LEDの順方向電圧 VCE2:トランジスタQ2のコレクタ・エミッタ電圧 「※おおよそVR4は3.8V=6−(0.2+2)になります。) |
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抵抗R4の電圧VR4が上がると、コレクタと抵抗の間から反対側のトランジスタQ1のベースにつながっているコンデンサ2の電圧VC2が押し上げられます。 この時、コンデンサC2にはそれまでに蓄えられた電気があり、これに上昇した抵抗R4の電圧VR4を加えると、電源電圧Vを越えるほど高くなります。 このコンデンサC2から、オフ(不通)状態のトランジスタQ1、電源Vに向かって電気が流れようとしますが、トランジスタQ1のエミッターベース間は構造的に一種のダイオードですので、電流はトランジスタQ1のベースで止められます。 当然、トランジスタQ1がオン(導通)状態になるのに必要なベース電圧0.7Vとは、逆方向に電圧が加わりますので、トランジスタQ1は完全にオフ(不通)状態になります。 VE1<(VC2+VR4) |
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しかし、オフ状態のトランジスタQ1のベースに接続されたコンデンサ2は、抵抗R3とも接続されています。 この抵抗R3を通して、コンデンサC2に蓄えられた電気は、徐々に放電されていき、コンデンサ電圧VC2も徐々に下がっていきます。 |
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やがて、コンデンサ電圧VC2が、オフ(不通)状態のトランジスタQ1のエミッタ電圧VE1よりも下がると、エミッターベース間に僅かに電流が流れ始めます。 |
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更に、コンデンサC2の電気が放電されていき、コンデンサ電圧VC2も充分に下がり、オフ(不通)状態のトランジスタQ1のエミッターベース間の電位差がオン(導通)状態なるのに必要な0.7Vを越えると、今まで不通状態だったトランジスタQ1のエミッターコレクタ間がオン(導通)状態になり、LED 1が点灯します。 VE1>(VC2+VR4) VE1−(VC2+VR4)>0.7V |
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すると、トランジスタQ1のコレクタの先につながった抵抗R1は、トランジスタQ1が不通状態の時は、殆どGNDレベルでしたが、トランジスタQ1のエミッターコレクタ間が導通状態になったことにより、電流が流れ、電圧降下VR1が起こります。 その電圧は、電源電圧Vから、LED 1の順方向電圧VF1とトランジスタQ1のコレクターエミッタ間の電圧降下VCE1を引いた値まで上がります。 VR1=Vー(VF1+VCE1)) V:電源電圧 VR1:抵抗R1の電圧 VF1:LEDの順方向電圧 VCE1:トランジスタQ1のコレクタ・エミッタ電圧 「※おおよそVRは3.8V=6−(0.2+2)になります。) |
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抵抗R1の電圧が上がると、コレクタと抵抗R1の間から反対側のトランジスタQ2のベースにつながっているコンデサC1の電圧が押し上げられます。 この時、コンデンサC1にはそれまでに蓄えられた電気があり、これに上昇した抵抗R1の電圧VR1を加えると、一瞬、電源電圧Vを越えるほど高くなります。 するとオン(導通)状態でLED 2を点灯させていたトランジスタQ2のベースに逆方向に電圧が加わり、一瞬でトランジスタQ2をオフ(不通)状態にし、LED 2を消灯させます。 また、電源に向かって電気が流れようとしますが、トランジスタQ2のエミッターベース間は構造的に一種のダイオードので、電流はトランジスタQ2のベースでとめられます。 当然、トランジスタQ2がオン(導通)状態になるのに必要なベース電圧0.7Vとは、逆方向に電圧が加わりますので、トランジスタQ2は完全にオフ(不通)状態になります。 VE2<(VC1+VR1) |
部品表
部品名 | 定格 | 数量 |
トランジスタ | 2SA−1015Y | 2 |
LED | グリーン | 1 |
イエロー | 1 | |
電解コンデンサ | 10uF | 2 |
抵抗 | 100KΩ・1/4W | 2 |
1KΩ・1/4W | 2 | |
ジャンプワイヤ セット |
橙4緑4長い赤2 | 1 |
ブレッドボード | ミニタイプ | 1 |
単三乾電池 | 4 | |
電池ソケット | 単三4本用 | 1 |
電池スナップ | ブレッドボード用に加工済み | 1 |