リミッタ−回路・赤色LEDによる
ウィーンブリッジ発振回路の実験





リミッタ−に赤色LEDを使って実験してみました。
赤色LEDの順方向電圧約2Vを利用して、
リミッタ−にしています。




R3:赤色LEDだけの回路







実験回路図

実体配線図
赤色LEDだけの回路では、R4を増減してゲインを調整しても、写真のような±2.3〜3.0Vの波形しか出ません。

赤色LEDの順方向電圧の約2Vまで立ち上がり、または立下り、それを超えると導通してしまうので、方形波っぽい波形が出ています。

R3:赤色LEDと抵抗、並列回路







実験回路図

実体配線図
赤色LEDに並列に抵抗を入れてみました。

R4を増してゲインを調整していくと、±2.0V位まではの写真のように綺麗な波形です。

赤色LEDは順方向電圧約2Vまで高抵抗で殆ど電流が流しません。
電流は抵抗側を流れ、抵抗の性質が出ています。

2V程度までの信号でよければ、実験用信号源として使えそうです。

R4を増して、±2.0Vを超えるあたりから、赤色LEDが導通状態になっていき、赤色LED単体程ではありませんが、写真のような波形が出ています。

赤色LEDを並列に入れると、2.0Vを超える分は、赤色LEDを通ってしまい、これより大きな振幅は得られません。
R3:赤色LEDと抵抗、直列回路








実験回路図
実体配線図
今度は、赤色LEDに直列に抵抗を入れてみました。

波形はとても正弦波と呼べるような波形にはみえません。

赤色LEDを直列に入れると、必ず赤色LEDを通らなければならないので、順方向電圧±2.0Vの部分で電流を通さないため、写真のような波形になってしまいます。
R3を大きくしても、綺麗な波形はでませんでした。
R3:赤色LED抵抗、直列・並列回路








実験回路図
実体配線図

今度は、赤色LEDに直列・並列に抵抗を入れてみました。

振幅±4.4Vで発振し始めました。
直列と並列に抵抗を入れることで、振幅も大きく取れ、波形も
写真のように綺麗です。

R4を増していくと、振幅±6.4Vまで調整できますが、発振した時が一番波形が綺麗で、クリップするまで調整していくと波形が崩れていきます。
それでも、抵抗と直列だけ、並列だけの回路より綺麗です。
R3:赤色LED抵抗、直列・並列回路にさらに赤色LEDに直列に抵抗を入れた回路








実験回路図
実体配線図
前の回路で、赤色LEDと抵抗の並列個所は、±2.0Vを超えると、赤色LED側が導通状態になり、電流の殆どが赤色LED側に流れ、赤色LEDの影響がより多くでます。

赤色LEDは、ゲインの調整をしてくれますが、その性質が強いと波形のゆがみが大きくなります。
そこで、赤色LEDに直列に100kΩの半固定抵抗(R3−3)を入れて、赤色LEDに流れる電流を調整し、加減できるようにしてみました。


R3−3が小さいと、赤色LED側に流れる電流が多くなり、赤色LEDの影響を大きく受けます。
R3−3が大きいと、赤色LED側に流れる電流が少なくなり、赤色LEDの影響を小さくなります。


R3−3の値が100kΩにすると、赤色LEDの影響が少ないので振幅±6.1Vの綺麗な波形が出ますが、R4で調整できる範囲は殆どありません。

R3−3の値を0Ωにすると、R4の調整範囲は8.2k−9.6kに広がりますが、発振直後が一番綺麗な波形で、徐々に波形はゆがんでいきます。
R3:赤色LED抵抗直列・並列回路にさらに赤色LEDに直列に抵抗を入れた回路
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実験回路図
実体配線図
効果があるかどうかわかりませんが、前の回路を2段にしてみました。


R3−3は、R4にある程度調整範囲が欲しいので、前の実験で固定抵抗の10kΩに決めました。

波形のゆがみはどの程度かわかりませんが、調整範囲は広がり、かなり調整しやすくなりました。


ゲルマニウムやシリコンダイオードと違い、LEDをリミッターに使うと、順方向電圧が高いので、順方向電圧以下で使う場合には、並列に抵抗を入れただけの回路でも波形が綺麗で、回路も簡単になるので、実験用には十分使えると思いました。

逆に今回実験に使った電源の電圧(乾電池9V:006P)が低かったので、発振し始めからクリップするまでの範囲が狭く、発振開始の電圧が高いので、あまり低い電源電圧での使用には向かないと思いました。
電源電圧を上げれば、調整範囲がもっと広く取れるとおもいます。