リミッタ−回路・J-FETによる
ウィーンブリッジ発振回路の実験





リミッタ−にJ-FETを使って実験してみました。

J-FETは、ゲートに電圧を加えない状態では、
ドレイン−ソース間の抵抗値が小さい状態ですが、
ゲートに電圧を加えると、
ドレイン−ソース間の
抵抗が大きくなります。

この性質を利用して、R4の抵抗にJ-FET加えて、
リミッタ−として働かせます。

PチャンネルJ-FETは、ゲートに+電圧を
NチャンネルJ-FETは、ゲートに−電圧を

加えると、ドレイン−ソース間の抵抗が大きくなります。

手持ちの4つのFETで実験してみました。
2SJ-74を使って、PチャンネルJ-FETの簡単な動作を確かめてみました。

PチャンネルJ-FETは、ゲートに電圧を加えないと抵抗値は小さいですが、ゲートに+電圧を加えると抵抗値が大きくなります。

動作を確かめるため、ドレインにLEDと電流を制御する抵抗1kΩをつなぎました。

ドレイン−ソース間の抵抗値が

小さい時は、LEDが点灯
大きい時は、LEDが消灯

します。

電圧を加えないと、LEDは点灯していますが、スイッチを押してゲートに+電圧を加えるとLEDは消灯します。

(FETのゲートには電気が流れません、回路では+電源からの抵抗は10kΩになっていますが、100kΩでも動作しました。)
実体配線図
今度は2SK-170を使って、NチャンネルJ-FETの簡単な動作を確かめてみました。

NチャンネルJ-FETは、ゲートに電圧を加えないと抵抗値は小さいですが、ゲートに−電圧を加えると抵抗値が大きくなります。

動作を確かめるため、ドレインにLEDと電流を制御する抵抗1kΩをつなぎました。

ドレイン−ソース間の抵抗値が

小さい時は、LEDが点灯
大きい時は、LEDが消灯

します。

電圧を加えないと、LEDは点灯していますが、スイッチを押してゲートに−電圧を加えるとLEDは消灯します。

実体配線図
R4:VR+PchJFETリミッター





実験回路図
実体配線図
実際にR4に半固定VRとPchJFET(2SJ74)をリミッターとして入れて実験してみました。

電子回路の本では、殆どNchJFETが使われていますが、PchJFETでも動くはずなので以前から試してみたいと考えていました。

PchJFETは、+の電圧が来た時だけ動作します。
オペアンプの出力とFETのゲートの間に、FETのゲートに向かう方向にシリコンダイオードを入れ、+の電圧が来た時FETが動作し、−の電圧が来た時は、逆にシリコンダイオードでカットします。

FETは、シリコンダイオードの順方向電圧を超えると、FETのゲートに+電圧が加わり、リミッターが動作するので、波形は小さな振幅です。
(写真は0.2V/DIV)

R4:半固定VR+NchJFETリミッター








実験回路図
実体配線図
今度は、NchJFET(2SK170)をリミッターとして入れて実験してみました。

NchJFETは、−の電圧が来た時だけ動作します。
オペアンプの出力とFETのゲートの間に、オペアンプの出力に向かう方向にシリコンダイオードを入れ、−の電圧が来た時FETが動作し、+の電圧が来た時は、逆にシリコンダイオードでカットします。

FETは、シリコンダイオードの順方向電圧を超えると、FETのゲートに−電圧が加わり、リミッターが動作するので、波形は小さな振幅です。

(写真は0.2V/DIV)

回路を動作させるため、ブレッドボード上の半固定ボリュームを調整していて、手が部品に触れると、写真のようにノイズがでます。

FETが高抵抗なので、ノイズを拾ってしまうようです。
リプル除去コンデンサC3を加えた実験回路

FETをリミッターに使ったウィーンブリッジ発振回路について調べてみると、どの回路にもリプル除去用にコンデンサが入っている事に気づきます。

発振周波数の高低で最適な値は変わってくると思いますが、C3を0.01〜1μFにして試しました。
実験している周波数1kHzでは、容量が大きいほどノイズが少ないようなので手持ちで一番大きい1μFを入れました。

また、C3を入れると、多少ゆがんだ波形も綺麗な波形に補正してくれるようです。
(下の波形写真)

実体配線図
C3無しの波形

発振してから更に半固定VRを調整していくと、振幅が大きくなりますが、波形がどんどんゆがんでいき、若干周期も広がっています。
C3に1μFを入れた波形

C3を入れると、ゆがんだ波形もある程度補正され、周期も元の幅に戻っています。
R4:VR+NchJFETリミッター(2SK30)





実験回路図
実体配線図
同じNchJFETで、残りの2SK19、2SK−30でも同じ実験をしてみたところ、微妙な違いがでました。
ピン配置が違うので間違えないように接続して実験したところ、発振を開始する半固定VRの回転位置や波形の振幅に違いが出ました。
各FETのドレイン−ソース間の抵抗値や用途、増幅度なども影響するのか、2SK30Aが3つのなかで一番振幅が取れ、調整しやすかったので、2SK30Aを使う事にしました。
写真は0.5V・DIV)


ダイオードDをLEDに変更した実験回路

もう少し振幅を大きくしようと思い、FETをリミッターに使ったウィーンブリッジ発振回路について調べてみました。
すると、殆どの回路が、シリコンダイオードの順方向電圧とツェナーダイオードの降伏電圧を組み合わせて、リミットが掛かる電圧を引き上げて振幅を大きくしていました。

しかし、この実験回路の電源は乾電池なので、4.7Vや5.6Vのツェナーダイオードとシリコンダイオードを組み合わせると、オペアンプの動作範囲ギリギリです。

そこで、シリコンダイオードより順方向電圧の大きい赤色LED(約2V)で実験してみました。
実体配線図
±3Vの振幅の波形が得られました。

電源電圧を上げて、LEDを2個直列にしたり、シリコンダイオードとLEDを組み合わせても動作しました。

写真は1V・DIV)