ゲルマ・ラジオの研究





ゲルマニウム・ラジオは、回路の基本である受動素子「R」、「L」、「C」が全て含まれています。




現在の電子機器は、高機能で大変便利ですが、ブラックボックスが多く、わかりにくくなっています。
電源、増幅器のない、骨組みだけのゲルマ・ラジオの回路は、一つ一つの部品が原理のままに働き、仕事をしている様子を感じる事が出来ます

実験で使う材料

手元でそろえられる部品を集めてみました。
同じ実験でも、方式や部品などを変えることで、回路や部品についての理解が深まります。
ですから、必ずしもここにあげられているものと同じ物を揃える必要はありません。
自分で調べ、考えて、色々と試して、確める事が大事です。
ここで使われている部品は参考だと思ってください。


実験で使った工具
工具 用途
ピンセット 部品の抜き差し、曲げ加工
ニッパ 部品の足の切断
半田・半田コテ ブレッドボード用に部品を加工
ドライヤー 収縮チューブ用


ブレッドボードでの実験と部品の加工

実験は作業性を考えブレッドボード上で行いました。
ブレッドボードは、構造上、高周波回路にはあまり向きません。
倍電圧回路に改造したり、増幅器を増設すると、動作が不安定になり、発振したり、思った結果が得られない場合があります。

また、ブレッドボード上で実験するために、そのままでは、実装できないので、各パーツのリンクを見て、部品を写真のように加工して下さい。
下の写真は、バーアンテナ、ポリバリコン、セラミックイヤホンなどの足に、0.6mmのスズメッキ線や抵抗の足を半田付けし、収縮チューブなどで絶縁して加工したものです。




ブレッドボードへの実装

加工した部品をブレッドボードに実装します。

ブレッドボードの準備

ケースは安価なプラスチックの名刺ケースを利用しています。
アルミ板は以前販売していたブレッドボードには標準で付いていましたが、コスト削減なのか、最近の物には付いていないので0.5mm厚のアルミ板を、ブレッドボードのサイズに合わせて切り取って使います。
ジャンプワイヤはビニール被服を剥いてアースとの接続用に使います。
ジャンプワイヤの被覆を剥きます。
中の単芯線だけ取り出します。
単芯線の片側をブレッドボードでアースとして使う穴に挿入します。
単芯線の反対側はブレッドボードの裏面全体に広がるように曲げます。
ケースにアルミ板を入れます。
アルミ板の入ったケースの中にブレッドボードを入れます。
これで、先ほど被覆を剥いてブレッドボードの裏側に這わせた単身線とアルミ板が接触します。
バーアンテナの固定用の棒を曲げてブレッドボード底のアルミ板と接触するようにします。
バーアンテナからの各線を使いやすいようにブレッドボード上に挿します。
写真では、横方向のラインにバーアンテナの線を全て接続しています。
上の2本
赤ライン:黄
青ライン:緑
下の2本
赤ライン:
青ライン:
(アース)
今は、このような配置になっていますが、それぞれが使いやすいように、アンテナから直接必要な個所に配線したり、横方向のラインを電源ラインとして使ってもいいと思います。
ポリバリコンを取り付けます。
バーアンテナの線がブレッドボードの横方向のラインに全て出ているので、写真では黄と黒につながるように配線されています。
上から見た写真です。
ひとつ下のラインに接続するとバーアンテナの緑色の線とつなぐ事ができます。
また、ポリバリコンは、リードの接続箇所のみで支えられているため、手で本体を抑えながらダイヤルを回さないと一緒に本体も回ってしまうので、ブレッドボードの使っていない部品穴とジャンプワイヤを利用して、回り止めを作ってやります。
写真のように、ジャンプワイヤを少し浮かして挿したり、長めのジャンプワイヤを挿して、余った部分をよじって、回り止めにしたりします。
ゲルマニウムダイオードと抵抗を取り付けます。
ゲルマニウムダイオードも抵抗も、本体に負担がかからない程度に曲げ、ブレッドボードに6、7mm程度リードが挿さるように切ります。

ゲルマニウムダイオードは、バリコンの上の端子からジャンプワイヤで中継して横方向のラインと平行に挿して実装します。
バリコン側をアノードとします。
抵抗(470k〜1MΩ)は、ゲルマニウムダイオードのカソードから、下の横方向のラインに向かって直角に挿して実装し、ジャンプワイヤで、横方向の青ライン(一番下、バーアンテナの黒い線とつながっている:アース)に接続します。
イヤホンは、抵抗と平列になるように、抵抗の両端に接続します。
外部からアンテナとアースが接続できるように、上の横方向の赤ラインと、下の横方向の青ライン(アース)にジャンプワイヤを挿します。
ジャンプワイヤにみの虫クリップの付いたアンテナ線とアース線をそれぞれ接続し完成です。